8日間 769.5㎞ 11,419mUPの最後に見たもの

アスレさんの記事が大人気なので思ったことをちょっと書いておこうかなーと

TOJ2024最終日、ここまでで6名の選手のうち5名を欠いてしまった京都産業大学は残った森田叶夢を東京ステージのスタートラインへ送り出しました。

パレード区間+6.5km✕16周で争う104kmのこのステージ、チーム総合成績や個人総合、山岳、スプリントなどの各賞が固まりつつある終盤、最終周に誰もがまったく予想しない局面で飛び出したのが森田でした。

現地観戦の皆さんも配信に見入っていた全国1億3000万の京産大ファンも大いに沸き興奮し、手に汗握る気持ちを味わったのではないでしょうか。

100人いれば100とおりの捉え方があり、詳しくはアスレさんの記事をご参照いただきたいと思いますが、このアタックにはまだ報道されていないなにかがあるような気がします。

まず、あの局面で仕掛けるというのは容易ではなく、これは森田くんはもちろん素晴らしい判断で出ていったのだと思いますが、普段の秋田監督や山岸コーチ(半角カタカナ)、木村くんや吉岡くんから受け継がれてきた「魅せるレース」の哲学の賜物ではないかと感じます。必ずどこかで先頭を走るという教えは簡単に実現できるものではありません。あの700kmを超える道程の中で参加95選手のうち一体何人が自らエスケープを試みたでしょうか。

TV2(後方ムービーモト)に背中を映し続けてきた森田くんがここまで悔しい思いを噛み締めてきた4回生矢萩3回生山田末吉、渡辺稲吉はじめ直前で怪我に泣いた田村ほかこのTOJを目指すも走れなかった他の部員たちの見えない力にその背中を押されたのだと配信を見ながら思いました。マネさんもありがとう。

自分で仕掛ける恐怖は走る本人にしかわかりません。まして19歳、去年までJカテゴリからいきなりUCI2クラスの日本最大のステージレースで、ここで行ったらどうなるか、それはあまりにも結果のわからない挑戦であり、どのような勇気が彼を行かせたのかを考えたとき、自分なら行けるのかと思うとそれはやはり秋田監督が培ってきた「レースをどのように走るか」というレース文化の後ろ盾があったに相違ないのです。こういうときはこうするんやで、というレジェンドからの薫陶を受けたからこそ誰も動けないときでも「俺たちKSUボーイズ」だけはそのチカラで動けたりするのです。ようしらんけど

もうひとつ、UCIコンチネンタルを主とする錚々たる79名を後目に颯爽と駆ける森田くんの側の観衆の中に京産大の青い応援旗を見ました。応援する側としてこの嬉しさは想像に難くないノーベル賞(語彙)に匹敵する最高の気分だったのだろうなあと羨ましい限りです。

たとえ旗を持ってるのが百恵ちゃんであっても選手がそこで行けるかというとそんなことはないのであって(カット)

長い長い8日間のその最後の最後、最終周を告げる鐘が鳴り響くなか、ご両親はじめ誰もが、◯ぬ気で走れ!とか絶対勝てよ!とはいうものの、本心はもうほんまに8日間ようがんばったおつかれさん、頼むからこけずにヒニッシしてくれほかにはなんもいらん無事に戻ってきてくれ、と思っているのです。ようまあこんなベテランや強豪に混じって学生がチャレンジったってようやったもうじゅうぶんがんばった褒め称えるわこの青い旗を振ってるのであと数キロ元気な姿を見せてほし

Radiotour「153 Attack

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

となったときそれが青いジャージを纏った森田叶夢であって大集団を引き連れて先頭を単独で目の前を走っていく、こんな痛快なことがあるでしょうか?

これな
その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし

そして観衆の誰もが

「京都産業大学なら逃げ切るかもしれない」

と思ったのです。思ったでしょ?

秋田山岸の選手ならもしかしてひょっとしてと思わせるなにかを誰もが持っているのがボーイズです。きっと荒木先生も柏先生も遠い空の向こうで喜んでおられるに違いない。

これでもはや「叶夢」の読み方は日本全国「とあ」が標準となり次の広辞苑の改版でも掲載となるでしょう。

だがしかしまあこれはOBのわたしの気持ちであって、ほんとのことはアスレさんを定期購読申し込みしたうえでよく読みSNSのアカウント @KSU_athle_press もフォローして情報げっとしてください。いいねとリツイートもお願いします。無料でご自宅まで送ってくださいます。もちろん注目の記者は @kusanagimiwa です。

いやー面白いレースでした。今後も京都産業大学自転車競技部へご支援をお願いいたします。ほかの子たちもみんながんばったし全員が次に勝つのは自分だとレースに臨むのです。なおこの日からうちのネコチャソシールが大人気でほんとにありがとうありがとう

 

広島トレーニングレースのお話

広島トレーニング・ロード・レース 2020 2nd へお供してきました。

このレースは広島中央森林公園コース12.3kmを13周、159.9kmを全カテゴリ混走で途中足切りなし、お時間の許す限りコンビニ休憩なしでトレーニングできるお得なレースとなっております。開催してくださった広島県車連さま、本当にありがとうございます。大会情報はこちら”広島県自転車競技連盟”

参加の川上選手には、来年の全日本選手権を想定した4時間を超える長丁場でしっかり最後まで走り切る、という指示を与えました。

以下、レースレポートのようなもの

前日に現地入り、HighAmbition2020.jpのジャージで試走して機材のチェック。トレーニングなのでホイールはカーボンでなくアルミをチョイス。

紅葉の美しい広島中央森林公園は夕暮れを迎え、コースの準備は整っている。

これまでのデータから男子エリートは1周を20分前後、女子は25分前後で展開されると予想。全13周およそ4時間半だが、女子はマイナス2周と推定した。よって序盤にはこのペースをオーバーしないこと、レース中も飲んで食べること、疲れても安全に完走すること、そのうえでひとつでも上の順位をリザルトに残すことを目標とした。

10月のしゅうなんクリテリウムで落車してコンディションは十分ではないが、その反省も踏まえ今季最終レースで結果を残すことが必須。

当日、早朝よりコースへ。気温は低いものの天候は快晴。腕も足もカバーをかけたいところではあるが終盤暑くなるのでウインドジャケットで1周目をしのぎ、フィードゾーンで回収することにした。

スタートラインアップに向かう。スタート1分前までマスク着用が義務付けられている。

身につけるのは徳島県の新しい代表ユニホーム。その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。遠くからでもよく見えるデザインとなっています。

ローリングスタートでレース開始。1周目、前回優勝の川本選手と松山聖陵の平林選手が23分で戻ってくる。

さすがにこれは予定通り見送りとして、川上は25分台をキープ。体が温まったためジャケットを捨てる。

2周目、3周目ともに女子先頭の2名のペースは速く、タイムギャップは2分以上まで開いていく。川上は一人旅になるが、メーターに表示される出力を見ながらペースを崩さない。だいぶん開いたなあと思いながらんーと1分、、20秒!とサバを読んで伝えておく。

5周目、先頭2名のペースが目に見えて落ち、タイムギャップはここで一気に1分を切る。次の周回でわいのゆうたとおり先頭にジョインできる見込みとなり、予想通り6周目は男子を含む5名のグループでホームへ戻って、ここから補給を開始する。

この時点でトップチューブに貼りつけてあったジェルの類はすべてなくなっていて、うまく食べれてもいるようなので一安心。レースも安定している。

全体では松山工業高の村上選手が積極的に展開、スプリント賞を果敢に狙いにゆく。

弊社サポート選手の梅沢幹太選手(松山工業高)も最後まで前で動き、敢闘賞を獲得。

その後、女子はこの3名で周回を重ね、そのうち男子のトップが打鐘を受ける(もちろんこの間には動きがいろいろある)。広島のホームストレートは最終コーナーの上りがブラインドとなっており、最終局面では随行車両がトップグループを護衛するがごとく取り囲みヘッドライトを輝かせながら突如として現れるのが最高にかっこいい。

このホームストレートで最終の補給となる。次の通過はフィニッシュなので補給はない。川上はもう十分と判断したのか、補給は取らずフィニッシュに備えて余ったボトルを捨て最終周に向かう。

捨てられたボトルを回収して、ここでフィードゾーンのお仕事は終わり。クルマに荷物を放り込み施錠してフィニッシュ地点に徒歩で向かう。男子のフィニッシュを歩きながら横目で見届けてさらに歩き、フィニッシュラインの奥でカメラを手に場内アナウンスを聞く。

MCから最後の登坂を3名のままクリアしたとアナウンスがあって、レースもあと5分というところか。

残り500mでも動きなく集団スプリントになる模様。最終コーナーを立ち上がり残り300m、随行車両のヘッドライトとともに川上の青、聖陵の赤いユニホームがチェッカーの向こうに見える。

結果、2秒届かず優勝は松山聖陵高の平林選手。おめでとうございます。川上は2位でチェッカーを受ける。

距離135kmをコンビニなしで走りきった川上をねぎらっていると、マスクにサングラス、肩パットの入った黒いでかいおっさん達 監察してくれていたモトコミセールの皆さまにあっという間に取り囲まれ、まあ普通はこんなお声がけなんてめったに無いことなので感激、ありがとうございます。さすが女王様のお人柄といったところ。

終盤には男子でも足を攣ったり疲れ果てた様子の選手も多々見受けられ厳しいレースではありましたが、全国の頂点さらには国際舞台を狙っていくには少なくても4時間超を足をつくことなく走り切ることは条件となります。目指すなら、見合う努力を欠くことはできません。その意味で、このレースは最高です。

いずれにしても、男子エリートを含む全体で出走68名・完走55名のうち28位はひとまず上出来です。出力計から出されたデータはこれから分析になりますが、貴重な基礎資料となるでしょう。

アテンダントとしては当初に予定していた手順などはほぼうまくいったが、レースを通じていろいろ反省点も見つかり、これらを一つずつ技術的に解決していくことがこのオフの課題となりました。

今季は、川上選手はどこのチームにも所属していなかったためアテンダント・コーチを引き受けましたが来季は実業団チームに所属するためこのレースが最後のお仕事となりました。所属チームのスタッフの皆さまに託して、ご活躍を楽しみに見守る所存です。

弊社の今季レース帯同はもうありません。お仕事モードに入りますので、ご予算潤沢なチームの皆さまからのたくさんのシールご注文、お待ちしています!