デスクホイールの穴をどうふさぐかについて

おまたせしました。TTの季節がやってきました。

デスクホイールは男子の心をウキウキさせます。自慢ではありませんが自慢ですが、中の人はいまからさんじゅうねんぐらい前に西日本学連で初めてデスクホイールを使った人です。「なんやそれ」「そんなんで速うなるか、セントラは気合や」「なんぼしたん?」などと物珍しがられましたが本気で記録を出したければやるときはやる、それがわいです。

さて、そのデスクホイールですが空気をいれるバルブのとこは穴があいていて、新品を買うとふさぐシールが付いてくるのですが、しょせんはシールなのでいずれくっつかなくなり、時としてレース中にはがれて飛んでいくという悲しい思いをした方も多いのではないでしょうか(あんまり見たことはないですが)。

さあ穴を塞ごう!となったときにすぐ思いつくのがガムテープです。布粘着テープともいいます。どこでも売ってるので便利です。

が、しかし

ガムテープはねっちゃりひっつきます。糸が出ます。のりが残ります。私は国体ほか大会に選手引率することがありますが、連盟や学校のデスクを見るたびに天一のラーメソよりもこってりとこびりついたガムテープののりに(ノ∀`)アチャーといつも思うのでした。

せっかくエアロなデスクなのにこのねちゃっとした塊はCd値に悪影響を与えないのでしょうか。機材の汚れは心の汚れ京都のある方がついったに書いてました。

そこで思い出しました。わいはシール屋ではないかと(今頃か)!

そこで「ふさぐちゃん」の登場です。ほんとにいつもネーミングで売上を逃がしていると思います。バルブホールステッカーBHS-01R にしておくともっと売れるのではないでしょうか。しかしできないのです。思いついたのは角型と丸型があるので「ふさぐちゃん角刈り/丸刈り」ぐらいでした。出直します。

しかしことの本質はそこではありません。

機材をクリーンに、エアロ性能を最大に引き出し、まあちょっとかっこいい、備えておくとコンビニに走らなくてもいい、それがふさぐちゃんです。

この製品は(ここから本題です待たせたな)自動車用のラッピングフィルムをカットしたもので適度にコシがあり平面を保ちます。よく見るのは薄いフィルムをぴたっと貼ってるんだけどシワが寄っているという現象です。フィルムは高級になると柔らかく薄くなる傾向がないではないのですがそれも適材適所であって、もったいない話です。

のりははがしてもホイール側に残らずいつもクリーンにきれいにはがれます。空気の泡も残りにくい構造なのでビシっと決まります。

設計のポイントはただの四角形に見えますがこの短辺がリムの形と同じカーブになっているところです。これはまだ誰にも言ってないので今なら話のネタに使えます。

黄色の点線が直径622mmです。わかりにくいですね

貼る際のご注意としては、脱脂とにかく洗浄脱脂です。シリコンオフまたは濃度の高いアルコールなどで汚れや油が残らないようにしてから貼ってください。とくにワックスやシリコン系コーティングはシールの敵です。くっつきません。くっつかないようにするための技術なのでとにかくくっつきません。なので、くっつきませんやんか、とおっしゃられても手も足も出ないぐらいいけません。

でもラッピングフィルムというのは再剥離性という性質があってどちらかというと初期接着力は弱めに感じます。これは施工時にずれたものを貼り直せるというフィルムさんの愛です。しかし愛があったとしても作ってる自分も出荷するときに少し心配なのは事実なので作業台にはしっこを貼って大丈夫なことを確認してからお届けしています。

作業台はブビンガ無垢材です。和室最高

貼る面をきれいにしてから貼り付け、指でかまわないので上からしっかりこすって押し付けてください。

国体やそのほか競技会で1km1分4秒ぐらいまでなら大丈夫なようでした。10000枚いただくわ?などのお問い合わせやご相談もお気軽にお寄せくださいね。

SHOP URL : https://csdesign.base.shop/items/82853419

 

 

 

ホログラムとか金(カネではなくてキン)のお話

この2年ほどでいきなり大人気となった感のあるホログラム and 金ツヤ(ほかメタリック調)フィルムのお話です。

キラキーラ☆

ちょうかっこいいのでプロチームさま&選手の皆さまご指定多数なんですが、通常の白フィルムとの違いをご説明しておきますね。

まず、このキラキラシールの素材は空気を通しません。や、通さない種類のものを使ってます。対策品はあるのですがちょっとまだ手に入りにくいです当社比。

白いフィルムや、ほかのカッティングフィルムは非常にわずかでゆっくりですが空気が通ります。なにをゆうとんやビニールやぞ、と思われるかもしれませんが、そういうものなんですみません。
あと製品にもよるとは思いますが、貼った感じ接着力はちょい弱めに思います。

で、貼るときに少しだけ気をつけておいていただきたいことがあります。

今日の四字熟語 養生大切

接着力が弱めなんだと思っていただいて、よく脱脂してしっかり押さえていただいたうえで当日の洗車などは控えていただけると嬉しいです。通常フィルムにも言えるんですが、おおよそのこういった素材は初期接着力が弱いのは施工性(貼り直し)がよいこともメリットなので、たとえば強力に一発でくっつくと位置がずれたりすると貼りにくいわけですね。24時間ほどでしっかりくっつくものが多いです。

まあ、メタリック系フィルムに限らず、.  とか とかの小さい部品は落ちやすいです。

なのでとくに切文字で小さい部品がある場合は貼ってしばらくこすらないようにお願いします。転写紙をはがすのもゆっくり慎重に。また、切り文字の場合は表面にラミネートがない(プリントシールにはある)のでこすると傷がつきやすいです。

そしてもうひとつめっちゃ大事なことがあります。

アウトガスという謎(解明済み)現象

空気が逃げないので、泡が残るとずっと残ります。そこでアウトガス問題というのがありまして、これをスルーできないのでぜひお伝えしたい。

フレームに貼る場合ですが、フレームって塗装してありますよね。

塗装というのは、いろいろ方法種類はありますが、まあだいたい塗料をシンナーで溶いて塗ってあります。このシンナー(溶剤)というのは徐々に揮発して抜けていくんですが、表面は乾燥していてもまだしばらくわずかに揮発を続けている場合があります。これは何本も塗装したものを見てきましたがぱっと見てもまったくわかりませんでした。数日で抜けきると言う印象なんですけどね。

それで、このフレームから揮発したガスが出ている状態で「空気の逃げないフィルム」を貼ると当然そのガスがフィルムの下に溜まってくるんですね。ぽこぽこに浮いてきてしまいます。これがアウトガス問題です。

引用元:リンテック株式会社さま

塗装フレームだけではなくて、ポリカーボネイトなどプラスチックでも同じことが起こります。むしろ対プラが一般的かもしれないです。くわしくはネット検索してみてください。

なので

まー何事も専門性を深めるともっと違うナニカなのかもわかりませんが、ひとまず仕上がりたてのまっさらのフレームにシールを貼る場合、シール浮いてきちゃった!イコール不良品!ということではないケースもありますのでご留意いただければ幸いです。もちろん弊社製品はこれ実体験ずみなので乾燥済みのフレームでは問題ありません。ユーザーさんにおかれましては、なにかありましたらお知らせくださいね、なんとかしますので。

上手な貼り方について

上手な貼り方についてなんですけど、まずは自動車のフルラッピングや看板屋さんの動画が山ほど公開されてますのでぜひ達人のやり方をご覧ください。この記事を読むより絶対確実です。

ひとまず私の考えるポイントは下地と温度と圧着です。参考にしてね。詳しく知りたい方は自動車の(略

まず下地としては掃除と脱脂です。
ホコリなどありますと表面にぷつっと現れますのでご注意ください。油分がありますとくっつきません。とくにワックスは完全に落としましょう。コーティングは貼れるものと貼れないものがあります。コーティングの施工者さんに確認してくださいね。弊社では判断つかないです。
脱脂剤は弊社ではシリコンオフとアルコールを状態によって使い分けています。パーツクリーナーでもよいですがこれも種類がたくさんありますので下地を侵さないものを使ってください。脱脂できたかどうかは試しにマスキングテープを貼ってみるとわかりやすいです。

小ネタとしては脱脂して拭くときの布はティッシュやウエスは毛羽が残ることが多いです。専用品以外ではマイクロハイバーが使いやすいですね。100均へGOです。

温度については、気温(作業場所の温度)が低いとくっつきにくいです。とくに大きな自動車などは寒いときは冷え冷えになりますので、弊社では仮止めしたうえでヒートガンで温めるなどしています。一般的に、極端に寒いとか暑いとか、そういうときは落ち着いていったんちょっと考えましょう。全ては常識の範囲内にあります。

圧着については、弊社製品の裏面糊の構造には2種類あって、通常糊とエアフリー糊になりますが、いずれも初期接着は弱く、最初に強く押さえなければ貼り直しできます(接着面同士はだめです。くっつきます)。あー。必ず絶対できるわけでないので、貼り直せなかった!というクレームはご勘弁を。位置を決めて貼って、問題なければ中央から端に向けてエア抜きをします。この方法もいろいろあるので詳しくはぐぐってください。何事も技術というのは奥が深いです。私は施工の専門職ではないので知らないことも多々あります。ご容赦ください。

圧着についてもう一つ書きます。エアフリー素材は裏面に空気の逃げる溝があります。空気が逃げるということは、入っても来るということです。圧着しておかないとその部分から浮いてきやすいです。大きな版の場合は上からの雨滴の侵入のおそれもあります。初期接着は弱いですが一昼夜ぐらいで安定しますので、ガレージで養生していただくか、上端をマステでふさいでおくのはよい方法と考えています。とくに最近の車体はカーボソの複雑な3次曲面で構成されていることもあって注意が必要です。しっかり圧着してください。

で、温めるというお話しなんですけど、シールの素材はおおむねビニール+PETです。だいたい60℃ぐらいで柔らかくなり120℃ぐらいで溶けるとお考えください。ご家庭のドライヤーで”あちっ”という手前ぐらいで十分曲面になじむように思います。ちょっとしたシワや折れなども直ります。ただ熱すぎるとフレームや塗装にもよくありませんのでほんまに気をつけてよく見ながら温めてくださいね。

あと自動車はねえ、平面っぽく見えてもゆるい3次曲面になってることが多いので、この場合は引っ張ったり伸ばしたりってのが必要になるかもしれません。以前にバス(バスね、バス)一台まるっと貼ったことありますがまあ大変でした。でもとても勉強になりましたので、バスありがとう!

最後に、弊社で採用しているフィルムは弊社以外でも多様なマーキングに使われ実績があるメーカー品ですので、素材や製法不良ということもまずなくて大変貼りやすいです。ただ、貼るだけなら貼れるんですけど、うまく貼るのはやっぱり上手なやり方というか手順がありますので、楽しいシールライフ(あるんか)のためにも上記3点お役立てください。

あ、特例としてポリカーボネートには貼らないほうがいいです。あと塗装したてのとこも、いずれも内側からガスが蒸発してぽこぽこになるおそれがあります。

ではみなさま、楽しいシールライフ(あるんか)を!!