一枚の写真

文部科学大臣杯 第79回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 @TIPSTAR DOME CHIBA に行ってきました。

この写真がどうしても撮りたかったです。京都産業大学にはスポーツクラブの活動を報道してくださる「京産大アスレチック」という編集局があり、主要大会に取材に来てかっこいい記事を書いて活躍ぶりを広報する、というお仕事をしてくれています。

自転車競技部担当の草薙記者は4年にわたりボーイズに寄り添いわかりにくい自転車競技各種目をよく勉強され、各年の活躍をくわしく報道し続けてくれました。私達OBに届けられる紙面だけでも部員のがんばりは十分すぎるほどよくわかり、いつもWEBや郵便で配信されるのを楽しみにしています。むしろアスレさんの配信がなければ選手の内面をここまで知る手立てがありませんでした。

この写真を撮りたかったのには理由があります。

まず、この4kmチームパーシュートという種目はとても美しいということ、それは「4人が力を合わせ」「一人を犠牲にしてまでも」「3人めを1/1000秒でもはやくFINISHへ連れて行く」という種目の性格が競技をわかって応援する(これわかってないとあまりおもしろくないです)者の琴線に触れる大きななにかを持っているということです。もはや演歌じゃないですかこれは。

ただしこの一人が途中離脱するのは合理的に戦略としてそれがチームとして一番よいタイムを出せるからであって、離脱した選手もともにフィニッシュラインを踏みたい気持ちはあるものの離脱するまでしっかりお仕事を全うして予定通り離脱する、犠牲という表現では説明しにくい緻密で科学的な根拠があるわけでそこはまたそれで興味深い見どころでもあります。

さて、そしてこの中距離団体種目の構造は拡大すると、最も良い結果を導くためにプレーヤーはもちろんサポーターやスポンサー・サプライヤーまでも含めて一つの目標に向けて取り組むという競技や社会そのものの縮図であるとも解釈できます。

選手はここまで厳しい訓練に耐え、監督やコーチ、ご両親、親戚や友達から通りすがりの赤の他人、OB/OG、アスレさんのような報道関係者さん、ファンの皆さん、そういった方たちの期待をしっかり受け止めてスタートラインに並びカウントダウンを受け、発走すれば自分たちが決めた方法でベストリザルトを叩き出す、うまくいけば大きな歓声で迎えられ、そうでないときも大きな拍手で労われるというアマチュアリズムの濃縮された美がこの4kmTPにはあり、それがトラックマニアの心に響くのではないでしょうか。

もちろん主役は選手で、スポーツ写真としてはこの構図↓↓↓で完成していると私は考えます。

しかしもう少し離れてよくみると、使われていない走行ラインの意外と広い外側のさらにその外から静かに静かにカメラを向け続けるシックな色合いのアスレさんがいて、内側から鼓舞する武田マネジャーのアイコニックな躍動感、鮮やかな蒼き衣をまとった部員たちとの素晴らしいコンビネーションになっている、だからここまでセットで内と外、静と動の組み合わせになってひとつの風景を完成させる「みんな」ですよね、というわけでこの選手たちを支えてきた彼女たちも含めた美しい構図を見てほしいなと思い記事に残すことにしました。

アスレさんの記事はおそれおおいほどの熱量に溢れ実際の1.2〜10000倍ぐらい(幅があります)かっこよく紹介されているので、どのようなエネルギッシュな方がひゃっほう♪と陽気に取材してるのかなと思っていましたが実は、選手にはスポットライトをあて続けるが決して自分は目立つことなく一歩離れたところから選手を見守ってくださっていた、草薙記者の静かな情熱のようなものをおそらくレース写真としては世に出ることはないであろう物言わぬ一枚の写真から汲み取っていただければ幸いです。自転車競技部を担当してくださってほんとうにありがとうございました。

うちのプリソタとえもんだのとめるちゃん

ここのところ毎日のように朝とめるちゃんをプリソタにセットして仕事に勤しみ2時間おきに収穫してはまたお仕事をする日々が続いています。みんなありがとう!

さてT0Jでまあまあいけたとめるちゃんですが、その製造秘話(んなわけ)についてご説明します。

弊社ではいまPRUSA i3 Mk3+、BambuLab P1P、Creality K1C の3台がいごいごと稼働しています。いごいごって標準語ですよね?

T0Jの前に、選手が乗っている機種を学生さんに教えてもらいました。

そのときにうちにあった型は SL7/8、RP9だったのですがわいはこれを789と呼んでいます。それでサーヴェロとかトレックほか行き届いてない機体も多々あってほんとはうちの学生さんには全員とめるちゃんを使ってもらいたいと思ってたのですが汎用つけるくんを投入せざるを得ない状況でした。

おかげさまでT0J以降たくさんのご協力をいただきいろいろ型式も増えてきたのですがまだ足りないものも多い状況です。今回はえもんだのとめるちゃんを作るとこの様子を知っていただけると幸いです。

まず「えもんだのとめるちゃんほしいです!」というご要望をいただきますと弊社ではえもんだ実車を探します。オーナーさんに「ちょっと貸して?」と言ってみたりします。もちろん事前にえもんだに乗ってるのは把握してるので探してたんですが島にはハイカラなものがあまりなくてご不便おかけしていたところでした。

で、よくよく聞くとえもんだは径34mmの真円ということで、ほんなら作れるよ、という運びとなりました。

ここで問題が発生するのですが、図面上で直径34mmとしても直径34mmのものがしゅっと出てくるとは限りません。何を言ってるかわからないかもしれませんが、ここに「誤差」というものが生まれます。

シートポストは製造時に厳密な品質管理のもと寸分たがわない34.0mmの製品を叩き出すのですが、3Dプリソタにおいては「直径1.75mmの樹脂を熱で柔らかくして」「内径0.4mmのノズルから垂らして積み上げる」という仕組みで造形されます。

機械の個体毎の精度、樹脂の種類、温度や速度の設定によっては33.9mmや34.1mmとして出力されることは日常チャメシゴトです。なので

34っす 

と言われても34.0でセットしておっけーではありません。まずほんまに34mmの円柱を作ります。ここで最初に33.8xmmのものが出力されたので電卓を持ち出してきて割り算をしてぴったり34.0mmのものを出します。これに合えばえもんだにも合うはずです。

ここからがさらに問題で、とめるちゃんの素材PA-CFは当社比ですごく誤差が出ます。子供の頃に親から言われた、知らん他人を信じてはいけないぐらいの差がでるのです。だいたい太って34.3mmとかになって出てきます。とめるちゃんは外側に巻くものなので、内径34で設計するとだいたい33.7ぐらいで出来上がってまったく使えないものが生まれます。

うちにはひとまず20mm角の立方体をそれぞれの素材で出してみたものがあって素材ごとの太り方の目安にしています。が、これも立方体なので目安になるのでして、異型断面になると単に0.2mmでどうとかで済む話でなく縦横でどうなってこう、という修正が必須です。このへん詳しい先輩おられたらぜひお話うかがいたい。

まあそんなたいそうなナニカではないのですが、そのような感じでえもんだのとめるちゃんができるわけです。

この、ねじがM5というのはいいですね。だいたいゼッケンプレートは200mm長の結束バンドの幅4.4mmを通すために4.5〜5.0の穴があいてます(あいてないものもある)。プラ素材のΦ4.5ならM5はとおりますのでガタなくピッタリとまります。これ最初はM4にしてたんですけど遊ぶのが気になったんですよね。2ボルトならM4で問題ないですが1本でとめる試作品だとかなりしっかり締めないといけなくてズボラなわいには不向きでした。

張り切って大量に仕入れたM4どうする

このボタンヘッドキャップボルトは頭部の径も大きく広い面で押さえれるのでとてもいいです。(まあちょっと高いんやけどな

ちょっと気分を(´∀`∩)↑age↑たいとき用に赤と青の決戦用アルマイトボルトも買ってしまいました。

なおとめるちゃんには将来ボルト周りで遊びが出た場合(使ってるうちに削れますからね)ゆるくならないとも限らないので0.2mm厚のシムと、ねじを落としたなくしたのときに普通のキャップボルト(頭部径が小さい)を使うとき用のワッシャもつけてお届けしています。

使わんと思うけどね

この豪華仕様が京産大ボーイズは無料です!マネさんは通年募集中!さあ全国の高校生諸君は入学案内をいますぐ手配!(たのむでほんま

そして適合モデルも増えました!ピナレ口ヂャイアソトチャノソデールBMCウイソスペースコルナゴサーヴェロほかうちのお店  https://csdesign.base.shop/に並べれてないモデルお問い合わせください。明日もゆるく生きる!

 

 

TFA-Qi3

ことの発端は下鴨の天才メカニックのひらめきでした。

まずこのホーザンの振れ取り台について説明しておかなければならないでしょう。

HOZAN C-330 をはじめとする鋳鉄製の振れ取り台はほとんどのジテンシャヤサンに1台はある定番中の定番振れ取り台です。

ただHOZANのウエブサイトにはもう載っておらず現行品はC-300となっています。URLはこちら 重量は9.6kgとなっています。

PARKTO◯LやMIN◯URAからも振れ取り台がリリースされる中、大きくて重たいC-330は新しい需要がなくなったのかもしれません。スルーアクスルの登場で振れ取り台に求められる構造の変化もあったことでしょう。#なぜそこ伏せ字

しかし今でもオークショソサイト等ではお手頃な価格で取引されているようで、C-330以外にもハタヤなど他のメーカーさんのものも見受けられかつて完組という概念がなかった頃の必須技術であったホイール組の尊さを垣間見ることができます。問題は送料です。

HOZAN C-330 photo(c)monotaroさん

だがこのC-330をはじめとする鋳鉄製振れ取り台にはほかの機種ではまったく及ばない優れた特徴があるのをご存知でしょうか。

それはチューブラータイヤの天ブレを取る、です。

リムからタイヤを持ち上げるときの、C-330(ほか)の11kgという安定感、左右からハブ軸をがっちりと掴んだ安定感、持ち上げる際に踏んでおける台座の安定感、とにかく安定感が最高です。

中の人も欲しくて欲しくてたまらなかったですがうちで一番えらい人に稟議がとおりませんでした。まったく痛恨の極みです。

とにかく決戦用チューブラーを貼るときにはこれ以上のものを私は知りません。私が知らないだけでもっといいものがあるのかもしれませんが、また機会があったら教えてください。

さて

トーマスが振れ取り台の測定子(接触子)で掴まれているのを見て思いました。

ここはわいの出番やな、と。

なんといってもトーマスにはうちのご子息が大変お世話になったのです。その節はありがとうございました。

問題は2つです。1.細い尖った測定子でトーマスは痛くないのか?2.測定子がゆるむとトーマスが落ちないのか?

このタスクの次世代ソリューションは広い面積で大きく挟む、測定子がゆるんで仮に固定がずれてもせめて落ちないように持ち出しをつける、です。

まずこのような形状を考えました。常日頃こんなことばかりしているわけではありません。お仕事もしています。こういうのは休憩時間にするのです。


しかし私が設計で考えるのは、部品と可動部は少ないほどいい、同じ機能なら小さいほうがいい、です。

レールは2本もいらないし、かえってトーマスの形状によっては融通がきかなくなるかもしれないので1本にし、測定子を支える部分は高さ方向に遊びを設けました。

トーマスに当たる内側は弾性のある素材で車体にダメージを与えずフィットします。全体には少し遊びを設けてトーマスがゴードンになったりしても適合する仕組みになっています。もしトーマスが将来退役してもいわむらさんはまたきかんしゃを買ってくるに違いないからです。

そしてできあがったのがこちら

TFA-Qi3(THOMAS FIXING Attachment – QBEI Iwamura San)です。シマ/ブルーにしてみました。#なぜそこ伏せ字

そして無事に当日発送翌日配達となり使っていただけたようです。

これによりトーマスが確実に固定され本来の実力をいかんなく発揮し、ボーイズのTL/TLRにシーラントが行き渡るよう願ってやみません。

また、トーマスを2台お持ちの方はシーラントをビード部まで確実に回す2軸機構を備えた TSSS-Qi3(THOMAS Sealant Spread System- QBEI Iwamura San)もございます。

弊社は今後もトップメカニシャンの繰り出すおもろそうな事象に敏感に反応し、思いつきで対応していく所存です。遊ぶときは全力で遊ぶからこそ楽しいのです。今後とも京都産業大学体育会自転車競技部への熱いご声援をよろしくお願いいたします。

なお本製品は競技専用部品につき(ほんまか)お取り扱いは弊社オーソライズドプレンミャムディーラーでの対面販売のみとなります(どこや

8日間 769.5㎞ 11,419mUPの最後に見たもの

アスレさんの記事が大人気なので思ったことをちょっと書いておこうかなーと

TOJ2024最終日、ここまでで6名の選手のうち5名を欠いてしまった京都産業大学は残った森田叶夢を東京ステージのスタートラインへ送り出しました。

パレード区間+6.5km✕16周で争う104kmのこのステージ、チーム総合成績や個人総合、山岳、スプリントなどの各賞が固まりつつある終盤、最終周に誰もがまったく予想しない局面で飛び出したのが森田でした。

現地観戦の皆さんも配信に見入っていた全国1億3000万の京産大ファンも大いに沸き興奮し、手に汗握る気持ちを味わったのではないでしょうか。

100人いれば100とおりの捉え方があり、詳しくはアスレさんの記事をご参照いただきたいと思いますが、このアタックにはまだ報道されていないなにかがあるような気がします。

まず、あの局面で仕掛けるというのは容易ではなく、これは森田くんはもちろん素晴らしい判断で出ていったのだと思いますが、普段の秋田監督や山岸コーチ(半角カタカナ)、木村くんや吉岡くんから受け継がれてきた「魅せるレース」の哲学の賜物ではないかと感じます。必ずどこかで先頭を走るという教えは簡単に実現できるものではありません。あの700kmを超える道程の中で参加95選手のうち一体何人が自らエスケープを試みたでしょうか。

TV2(後方ムービーモト)に背中を映し続けてきた森田くんがここまで悔しい思いを噛み締めてきた4回生矢萩3回生山田末吉、渡辺稲吉はじめ直前で怪我に泣いた田村ほかこのTOJを目指すも走れなかった他の部員たちの見えない力にその背中を押されたのだと配信を見ながら思いました。マネさんもありがとう。

自分で仕掛ける恐怖は走る本人にしかわかりません。まして19歳、去年までJカテゴリからいきなりUCI2クラスの日本最大のステージレースで、ここで行ったらどうなるか、それはあまりにも結果のわからない挑戦であり、どのような勇気が彼を行かせたのかを考えたとき、自分なら行けるのかと思うとそれはやはり秋田監督が培ってきた「レースをどのように走るか」というレース文化の後ろ盾があったに相違ないのです。こういうときはこうするんやで、というレジェンドからの薫陶を受けたからこそ誰も動けないときでも「俺たちKSUボーイズ」だけはそのチカラで動けたりするのです。ようしらんけど

もうひとつ、UCIコンチネンタルを主とする錚々たる79名を後目に颯爽と駆ける森田くんの側の観衆の中に京産大の青い応援旗を見ました。応援する側としてこの嬉しさは想像に難くないノーベル賞(語彙)に匹敵する最高の気分だったのだろうなあと羨ましい限りです。

たとえ旗を持ってるのが百恵ちゃんであっても選手がそこで行けるかというとそんなことはないのであって(カット)

長い長い8日間のその最後の最後、最終周を告げる鐘が鳴り響くなか、ご両親はじめ誰もが、◯ぬ気で走れ!とか絶対勝てよ!とはいうものの、本心はもうほんまに8日間ようがんばったおつかれさん、頼むからこけずにヒニッシしてくれほかにはなんもいらん無事に戻ってきてくれ、と思っているのです。ようまあこんなベテランや強豪に混じって学生がチャレンジったってようやったもうじゅうぶんがんばった褒め称えるわこの青い旗を振ってるのであと数キロ元気な姿を見せてほし

Radiotour「153 Attack

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

となったときそれが青いジャージを纏った森田叶夢であって大集団を引き連れて先頭を単独で目の前を走っていく、こんな痛快なことがあるでしょうか?

これな
その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし

そして観衆の誰もが

「京都産業大学なら逃げ切るかもしれない」

と思ったのです。思ったでしょ?

秋田山岸の選手ならもしかしてひょっとしてと思わせるなにかを誰もが持っているのがボーイズです。きっと荒木先生も柏先生も遠い空の向こうで喜んでおられるに違いない。

これでもはや「叶夢」の読み方は日本全国「とあ」が標準となり次の広辞苑の改版でも掲載となるでしょう。

だがしかしまあこれはOBのわたしの気持ちであって、ほんとのことはアスレさんを定期購読申し込みしたうえでよく読みSNSのアカウント @KSU_athle_press もフォローして情報げっとしてください。いいねとリツイートもお願いします。無料でご自宅まで送ってくださいます。もちろん注目の記者は @kusanagimiwa です。

いやー面白いレースでした。今後も京都産業大学自転車競技部へご支援をお願いいたします。ほかの子たちもみんながんばったし全員が次に勝つのは自分だとレースに臨むのです。なおこの日からうちのネコチャソシールが大人気でほんとにありがとうありがとう

 

デスクホイールの穴をどうふさぐかについて

おまたせしました。TTの季節がやってきました。

デスクホイールは男子の心をウキウキさせます。自慢ではありませんが自慢ですが、中の人はいまからさんじゅうねんぐらい前に西日本学連で初めてデスクホイールを使った人です。「なんやそれ」「そんなんで速うなるか、セントラは気合や」「なんぼしたん?」などと物珍しがられましたが本気で記録を出したければやるときはやる、それがわいです。

さて、そのデスクホイールですが空気をいれるバルブのとこは穴があいていて、新品を買うとふさぐシールが付いてくるのですが、しょせんはシールなのでいずれくっつかなくなり、時としてレース中にはがれて飛んでいくという悲しい思いをした方も多いのではないでしょうか(あんまり見たことはないですが)。

さあ穴を塞ごう!となったときにすぐ思いつくのがガムテープです。布粘着テープともいいます。どこでも売ってるので便利です。

が、しかし

ガムテープはねっちゃりひっつきます。糸が出ます。のりが残ります。私は国体ほか大会に選手引率することがありますが、連盟や学校のデスクを見るたびに天一のラーメソよりもこってりとこびりついたガムテープののりに(ノ∀`)アチャーといつも思うのでした。

せっかくエアロなデスクなのにこのねちゃっとした塊はCd値に悪影響を与えないのでしょうか。機材の汚れは心の汚れ京都のある方がついったに書いてました。

そこで思い出しました。わいはシール屋ではないかと(今頃か)!

そこで「ふさぐちゃん」の登場です。ほんとにいつもネーミングで売上を逃がしていると思います。バルブホールステッカーBHS-01R にしておくともっと売れるのではないでしょうか。しかしできないのです。思いついたのは角型と丸型があるので「ふさぐちゃん角刈り/丸刈り」ぐらいでした。出直します。

しかしことの本質はそこではありません。

機材をクリーンに、エアロ性能を最大に引き出し、まあちょっとかっこいい、備えておくとコンビニに走らなくてもいい、それがふさぐちゃんです。

この製品は(ここから本題です待たせたな)自動車用のラッピングフィルムをカットしたもので適度にコシがあり平面を保ちます。よく見るのは薄いフィルムをぴたっと貼ってるんだけどシワが寄っているという現象です。フィルムは高級になると柔らかく薄くなる傾向がないではないのですがそれも適材適所であって、もったいない話です。

のりははがしてもホイール側に残らずいつもクリーンにきれいにはがれます。空気の泡も残りにくい構造なのでビシっと決まります。

設計のポイントはただの四角形に見えますがこの短辺がリムの形と同じカーブになっているところです。これはまだ誰にも言ってないので今なら話のネタに使えます。

黄色の点線が直径622mmです。わかりにくいですね

貼る際のご注意としては、脱脂とにかく洗浄脱脂です。シリコンオフまたは濃度の高いアルコールなどで汚れや油が残らないようにしてから貼ってください。とくにワックスやシリコン系コーティングはシールの敵です。くっつきません。くっつかないようにするための技術なのでとにかくくっつきません。なので、くっつきませんやんか、とおっしゃられても手も足も出ないぐらいいけません。

でもラッピングフィルムというのは再剥離性という性質があってどちらかというと初期接着力は弱めに感じます。これは施工時にずれたものを貼り直せるというフィルムさんの愛です。しかし愛があったとしても作ってる自分も出荷するときに少し心配なのは事実なので作業台にはしっこを貼って大丈夫なことを確認してからお届けしています。

作業台はブビンガ無垢材です。和室最高

貼る面をきれいにしてから貼り付け、指でかまわないので上からしっかりこすって押し付けてください。

国体やそのほか競技会で1km1分4秒ぐらいまでなら大丈夫なようでした。10000枚いただくわ?などのお問い合わせやご相談もお気軽にお寄せくださいね。

SHOP URL : https://csdesign.base.shop/items/82853419

 

 

 

とめるちゃんのお話

もっとこう、PH-GTR SS LIMITED 01R のような製品名にしたかったと思わないでもないですが、とめるちゃんです。

このたびお世話になっているチームの皆さんにご協力いただき弊社3Dプリント製フレームプレートホルダー「とめるちゃん」と「つけるくん」をあの日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(以下T0J)」でテストしていただきました。こんな大舞台で正体がよくわからん(であろう)とめるちゃんを使っていただいたチームメカの皆さんには心よりお礼申し上げます。おかげさまで「なんやこれ」とのご指摘もなくツアー日程を完了いたしました。

そもそもは2022年の全日本選手権でフレームプレート(以下ゼッケンプレート・ぜっけそも同義)を作らせていただいた際に「穴どうあけます?」ということで、それをとめるホルダーにはどのようなものがあってどのような使い勝手なのかを調べたことから始まります。そしてそれぞれ長所もあれば短所もあり使い勝手もいろいろで、なにが一番いいのかを考えて昨年まず2ボルトの「つけるくん」の原型をつくりました。

つけるくん(プロトタイプです)

その後それを見てくださったいろいろな方、とくにプロチームメカニック(某コーチを含みます)の皆さんから様々なご意見をいただき試作を重ねていった末にひとまず到達したのが「とめるちゃん」です。車種専用で1ボルトのとめるちゃんは、できるだけ小さく軽く、プレートは車体に近く、そしてできるだけきれいなカーブで面をつなぐ設計としています。思ったよりねじが重くなってしまって平均重量は6gです。

当初、左右からプレートを挟む形で作りましたが、プレートが厚いと締まらねー!という大きな落とし穴が発覚し、片側から止めることとしました。結果、輪ゴム(的なアレな)や結束バンドなしで3ミリアーレンキー1本あればしっかりとまる製品ができました。ゴミも出なければネジの頭も大きいのでなくしにくいです。M5なのでもし会場でねじがない!となってもボトルケージのねじで代用できたりもします。

このように取り付けます

素材も、いろいろ試しました。
弊社では多種のフィラメントを使ってますが、グレードとしてはPLA→PETG→ASA→ASA-CF→PC-CF→PA-CFの順で強くなると思います。えーと、思いますというのは個人の感想が含まれているからで、私は材料工学とか理系の学問とは無縁の人間なのでひとまず事前に調べたりはしますが専門家ではないとお断りしておく感じです。これらはざっくり造形温度が後者ほど高いです(作るのが難しいです)。

じゅうどちゃんのときはUCI設定のPLAではさすがに耐熱温度が低い(50℃)と判断しPETG(70℃)にした経緯がありました。
今回は耐候性を考えるとASA以上の堅牢な素材が求められるため試したい素材は躊躇なく買い求めて銀行の残高が、いやそれはひとまずおいといて、やっぱり強いのはPA-CF(カーボンファイバーポリアミド)やな?と決めた次第です。PC(ポリカーボネート)でもいいかなと思いましたしASAでも大丈夫だとは思いますが、シートポストへ取り付ける時にPAのほうがアタリが柔らかいんですよね。

なお、T0Jにおいて京産大ほかチームさまに供給のモデルはASA製です。これは毎日メカニックさんがチェックしてくださるという特別な状況なのであえて鮮やかな色あいを優先し使わせていただきました。ただし中の人が数を間違って用意したので森田くんのはPA-CF製(黒)になっています。

Photo © 山岸さん

また、この製品は各シートポスト形状に合わせてモデルデータを作ってます。シートポスト現物をご提供いただきましたライダーさまメカニックさまメーカー各社さまのご協力なしでは完成できませんでした。重ねて厚くお礼申し上げます。対応モデルは順次拡大していきますが、ご自身のこの機種のを早く、いますぐ!の場合はぜひ現品を2日ほどお貸しください。これについてはまずお問合せフォームよりご相談いただけますと幸いです(すでに着手してるかもしれませんので)。また、ご提供(すぐお返しいたします)いただけるショップさんメーカーさんは大歓迎です。ぜひよろしくお願いいたします。

とめるちゃんつけるくんは開発中からお引き合いも多く、早く発売したかったですがそれでもレース中にこわれたりすると大変なことなのでじゅうぶんテストしてから、ということでの最終(改良はまだまだ続けますが)試験がT0Jでした。ものごとに絶対はないのですが、まず通常のレースであれば強度に問題はないと考えています。なお耐候性はありますが、ご使用時以外は外して保管していただくと長持ちします。

まーなかなか丈夫ですよ

さて、そのようにしてようやくお届けできることになりましたとめるちゃんとつけるくん。

おわけできる価格がお高めに感じられるのは承知してますが、材料自体がよいものなのですみません。それでもいいよ、と思ってくださる方に感謝を込めてお届けさせていただきます。
なお、チームバイクまるっと全部つけていただける場合の特別条件は別途ご用意します。お問い合わせください。

素材の特性上(というかなんというか)小さなバリやキズが残る場合がありますが、プロチームへ供給しているものも同じ仕上げですのでご了承ください。
まずはとめるちゃん 27.2ラウンド・TARMAC SL7 / 8・BS RP9・BMC Teammachine の対応モデルからリリースいたします。初回ロットはキャンペーソ価格にしています。ぜひご愛用ください。

SHOP URL : https://csdesign.base.shop/

オブジェ☆じゅうどちゃんの話

おまたせしました、長らくOEM品の製造で忙しかったですがようやく中昭和ブランドでの展開が始まることとなりました。

製作にあたっては発売前からたくさんの温かい励ましのお言葉ありがとうございました。また、プロトタイプの段階でモニターお引き受けくださった各プロメカニックさまやフィッターの皆さまにはほんとにありがとうございました。

大人の事情であまりお値引きできないんですが、弊社にある材料であれば色の変更は追加料金ナシで承ります!元の値段が決まってないという緻密などんぶり勘定はさておきひとまずご興味ある方はお問い合わせいただければ対応させていただきます。

上の写真の青いのとか白いのみたいなストライプであったりロゴのエンボスなどはお見積りさせていただくので記念の日の贈り物などにぜひご検討ください!

思い起こせばツアー・ダウンアンダーで世界に衝撃映像が配信され、現地で見たEFエデュケーションイージーポストの南野メカから「こんなんっすけどできるんすか」と数枚の写真が送られて「まかしとかんかい」で目分量で作って世界最速でEFさんに供給してから数週間でzytecoブランドさんでの取り扱いが決まり夢か冗談かと思ってたらけっこう流通してしまったというおもしろい体験をさせていただきました。

もちろん詳細なモデルデータはその時点では不明だったので、ピンを通すと穴のところは弱いよね、とか、材質はPLAだと暑いと弱くなるから少なくともPETGだよね、検車はすでにバーテープ巻いてあるけどメカニックさんはテープ巻く前に当てるので内幅は広いとまずいよね、などと検討に検討を重ねるふりもしております。

そして作り使われ弊社のプリンタはフル稼働し3台に増えました。

その当社比大量生産と現場からのフィードバックにより各所に地味な改良を施しています。男子ってこういうのが好きなんでしょ!

なお権利の都合上、徳島・香川・三重・大阪・兵庫 各府県にはお届けができません。あしからずご了承ください。

おっと大事なことを忘れてましたがこれはオブジェなので、わかる方だけお問い合わせくださいね。耐熱温度は70℃です。

 

年に何回かあるお話(ないかも)

以前にもついったに書いたことがあるんですけど、すべてのお客様や友達にそれぞれ自分自身が持つイメージがあります。まあこれは誰もが持ってると思うんだけどああ、あの人はこんな人だよね、っていうものですね。

ロードバイクのネームステッカーに限らず、お名前を扱うということはご縁にほかならないのでできるだけその方にあった色や文字でうひひ(←重要)と喜んでいただきたいのが本心で、ひとまずお名前ぐぐってみたりするわけです。

うひひ:自分だけのかっこいいものを手に入れて人知れず喜びをかみしめる感情。ぐへへとはまったく異なる。

今や公式大会のリザルトなんかは簡単に検索できますから便利になりましたね。念のためいうときますけどこれはトラック短距離ガチの選手さんなのかブルベの人なのか、美容と健康の人なのか、そしたらこういうデザイソが似合うのではないか、と考えるんですね。

ご注文自体は標準モデルで、となることが多いですがそれとは別に修行として最適解を考えるのはこのお仕事では必須です。

これは年に何回かあるようなないようなお話で、まったく再現性とか法則とかがないので「わいもそれしてくれ」と言われてもできないことなんでそのへんご了承ください。※ただしカネが解決する場合がございます

ご紹介いただいたポストはこちら と こちら

ある日はるか遠く離れた新潟県からおたよりが届きまして、新潟といえばもえまぐろ先生とりゅーじさんそしてKSUのエース上野くんじゃないですか。シールのお引き合いにあたって、ご紹介くださったとのことでした。ありがとうございます。

お仕事で全国いろいろ回ってるので、今回おたよりくださったサイクルワークスFin’sさんはもちろん存じ上げていて、感謝感激なご縁でお仕事は進みました。

ほんでまあFin’sさんはこういうお店なんだなあ、ご担当のののむらさんはこういう機材に乗ってるのかーのようなことが見えてくるんですけど、いや、これはほんとにほぼすべてのお問い合わせにおいてゆるく見さしてもらってるんだけどたとえばああ〇〇大学の学生さんか、ユニホームは青と白(あ、あの?)やなあ、ほんならそうゆうデザイソがいいかなあ、っていうのを常に考えているわけです。

そうすると年に何万回(そんなあるわけはない)のうち時々、最適解が天から降ってきて手が勝手に動いてしまったわてへぺろのようなことがあります。

とはいうものの、初手からこれしかないわ!というものでもなくて、文字と色と線の組み合わせをいじっていると知らん間にたどり着いてしまったってのが実感で、ルービックキューブ回してたらようわからんけど6面揃ったわ?に似ているように思います。

ただしこれをお客さんが気に入るかどうかはまた別の話で「あー、ちょっとぴんときませんわ」でばっさり却下となることもあるのでこれは完全に趣味の世界ですね。

でも、このなんとなくやってたらできてしまったんやけどどうしよう、みたいなものの積み重ねがよいものを生む確率を高めるのも弊社の経験上&観測範囲内では事実です。

お仕事としては毎回こういうのが生み出されるととてもよいのですが、世の中そんなうまくいくわけなくて賭博性が高いのでおなまえステッカーならいまんとここういう組み方がかっこいいぜという標準の文字組みを設定しているんですね。ぜひご利用ください。ただいまは2024モデルを絶賛開発中です。

それで今回は気に入っていただけたとのことでとてもありがたく、リポストのお許しをいただいて、まつわるお話をちょっと書いてみました。
デザイナーの習性のようなものを感じていただければ幸いです。

新潟は岩手国体の帰りに一泊させてもらったですけどいいところでした。また立ち寄った際にはサイクルワークスFin’sさんにぜひおうかがいしたいと思います。このたびはご採用ありがとうございました。

サイクルワークスFin’sさんのウエブサイトはこちら
ご担当ののむらさんのInstagramはこちら

ホログラムとか金(カネではなくてキン)のお話

この2年ほどでいきなり大人気となった感のあるホログラム and 金ツヤ(ほかメタリック調)フィルムのお話です。

キラキーラ☆

ちょうかっこいいのでプロチームさま&選手の皆さまご指定多数なんですが、通常の白フィルムとの違いをご説明しておきますね。

まず、このキラキラシールの素材は空気を通しません。や、通さない種類のものを使ってます。対策品はあるのですがちょっとまだ手に入りにくいです当社比。

白いフィルムや、ほかのカッティングフィルムは非常にわずかでゆっくりですが空気が通ります。なにをゆうとんやビニールやぞ、と思われるかもしれませんが、そういうものなんですみません。
あと製品にもよるとは思いますが、貼った感じ接着力はちょい弱めに思います。

で、貼るときに少しだけ気をつけておいていただきたいことがあります。

今日の四字熟語 養生大切

接着力が弱めなんだと思っていただいて、よく脱脂してしっかり押さえていただいたうえで当日の洗車などは控えていただけると嬉しいです。通常フィルムにも言えるんですが、おおよそのこういった素材は初期接着力が弱いのは施工性(貼り直し)がよいこともメリットなので、たとえば強力に一発でくっつくと位置がずれたりすると貼りにくいわけですね。24時間ほどでしっかりくっつくものが多いです。

まあ、メタリック系フィルムに限らず、.  とか とかの小さい部品は落ちやすいです。

なのでとくに切文字で小さい部品がある場合は貼ってしばらくこすらないようにお願いします。転写紙をはがすのもゆっくり慎重に。また、切り文字の場合は表面にラミネートがない(プリントシールにはある)のでこすると傷がつきやすいです。

そしてもうひとつめっちゃ大事なことがあります。

アウトガスという謎(解明済み)現象

空気が逃げないので、泡が残るとずっと残ります。そこでアウトガス問題というのがありまして、これをスルーできないのでぜひお伝えしたい。

フレームに貼る場合ですが、フレームって塗装してありますよね。

塗装というのは、いろいろ方法種類はありますが、まあだいたい塗料をシンナーで溶いて塗ってあります。このシンナー(溶剤)というのは徐々に揮発して抜けていくんですが、表面は乾燥していてもまだしばらくわずかに揮発を続けている場合があります。これは何本も塗装したものを見てきましたがぱっと見てもまったくわかりませんでした。数日で抜けきると言う印象なんですけどね。

それで、このフレームから揮発したガスが出ている状態で「空気の逃げないフィルム」を貼ると当然そのガスがフィルムの下に溜まってくるんですね。ぽこぽこに浮いてきてしまいます。これがアウトガス問題です。

引用元:リンテック株式会社さま

塗装フレームだけではなくて、ポリカーボネイトなどプラスチックでも同じことが起こります。むしろ対プラが一般的かもしれないです。くわしくはネット検索してみてください。

なので

まー何事も専門性を深めるともっと違うナニカなのかもわかりませんが、ひとまず仕上がりたてのまっさらのフレームにシールを貼る場合、シール浮いてきちゃった!イコール不良品!ということではないケースもありますのでご留意いただければ幸いです。もちろん弊社製品はこれ実体験ずみなので乾燥済みのフレームでは問題ありません。ユーザーさんにおかれましては、なにかありましたらお知らせくださいね、なんとかしますので。

上手な貼り方について

上手な貼り方についてなんですけど、まずは自動車のフルラッピングや看板屋さんの動画が山ほど公開されてますのでぜひ達人のやり方をご覧ください。この記事を読むより絶対確実です。

ひとまず私の考えるポイントは下地と温度と圧着です。参考にしてね。詳しく知りたい方は自動車の(略

まず下地としては掃除と脱脂です。
ホコリなどありますと表面にぷつっと現れますのでご注意ください。油分がありますとくっつきません。とくにワックスは完全に落としましょう。コーティングは貼れるものと貼れないものがあります。コーティングの施工者さんに確認してくださいね。弊社では判断つかないです。
脱脂剤は弊社ではシリコンオフとアルコールを状態によって使い分けています。パーツクリーナーでもよいですがこれも種類がたくさんありますので下地を侵さないものを使ってください。脱脂できたかどうかは試しにマスキングテープを貼ってみるとわかりやすいです。

小ネタとしては脱脂して拭くときの布はティッシュやウエスは毛羽が残ることが多いです。専用品以外ではマイクロハイバーが使いやすいですね。100均へGOです。

温度については、気温(作業場所の温度)が低いとくっつきにくいです。とくに大きな自動車などは寒いときは冷え冷えになりますので、弊社では仮止めしたうえでヒートガンで温めるなどしています。一般的に、極端に寒いとか暑いとか、そういうときは落ち着いていったんちょっと考えましょう。全ては常識の範囲内にあります。

圧着については、弊社製品の裏面糊の構造には2種類あって、通常糊とエアフリー糊になりますが、いずれも初期接着は弱く、最初に強く押さえなければ貼り直しできます(接着面同士はだめです。くっつきます)。あー。必ず絶対できるわけでないので、貼り直せなかった!というクレームはご勘弁を。位置を決めて貼って、問題なければ中央から端に向けてエア抜きをします。この方法もいろいろあるので詳しくはぐぐってください。何事も技術というのは奥が深いです。私は施工の専門職ではないので知らないことも多々あります。ご容赦ください。

圧着についてもう一つ書きます。エアフリー素材は裏面に空気の逃げる溝があります。空気が逃げるということは、入っても来るということです。圧着しておかないとその部分から浮いてきやすいです。大きな版の場合は上からの雨滴の侵入のおそれもあります。初期接着は弱いですが一昼夜ぐらいで安定しますので、ガレージで養生していただくか、上端をマステでふさいでおくのはよい方法と考えています。とくに最近の車体はカーボソの複雑な3次曲面で構成されていることもあって注意が必要です。しっかり圧着してください。

で、温めるというお話しなんですけど、シールの素材はおおむねビニール+PETです。だいたい60℃ぐらいで柔らかくなり120℃ぐらいで溶けるとお考えください。ご家庭のドライヤーで”あちっ”という手前ぐらいで十分曲面になじむように思います。ちょっとしたシワや折れなども直ります。ただ熱すぎるとフレームや塗装にもよくありませんのでほんまに気をつけてよく見ながら温めてくださいね。

あと自動車はねえ、平面っぽく見えてもゆるい3次曲面になってることが多いので、この場合は引っ張ったり伸ばしたりってのが必要になるかもしれません。以前にバス(バスね、バス)一台まるっと貼ったことありますがまあ大変でした。でもとても勉強になりましたので、バスありがとう!

最後に、弊社で採用しているフィルムは弊社以外でも多様なマーキングに使われ実績があるメーカー品ですので、素材や製法不良ということもまずなくて大変貼りやすいです。ただ、貼るだけなら貼れるんですけど、うまく貼るのはやっぱり上手なやり方というか手順がありますので、楽しいシールライフ(あるんか)のためにも上記3点お役立てください。

あ、特例としてポリカーボネートには貼らないほうがいいです。あと塗装したてのとこも、いずれも内側からガスが蒸発してぽこぽこになるおそれがあります。

ではみなさま、楽しいシールライフ(あるんか)を!!