うちのプリソタとえもんだのとめるちゃん

ここのところ毎日のように朝とめるちゃんをプリソタにセットして仕事に勤しみ2時間おきに収穫してはまたお仕事をする日々が続いています。みんなありがとう!

さてT0Jでまあまあいけたとめるちゃんですが、その製造秘話(んなわけ)についてご説明します。

弊社ではいまPRUSA i3 Mk3+、BambuLab P1P、Creality K1C の3台がいごいごと稼働しています。いごいごって標準語ですよね?

T0Jの前に、選手が乗っている機種を学生さんに教えてもらいました。

そのときにうちにあった型は SL7/8、RP9だったのですがわいはこれを789と呼んでいます。それでサーヴェロとかトレックほか行き届いてない機体も多々あってほんとはうちの学生さんには全員とめるちゃんを使ってもらいたいと思ってたのですが汎用つけるくんを投入せざるを得ない状況でした。

おかげさまでT0J以降たくさんのご協力をいただきいろいろ型式も増えてきたのですがまだ足りないものも多い状況です。今回はえもんだのとめるちゃんを作るとこの様子を知っていただけると幸いです。

まず「えもんだのとめるちゃんほしいです!」というご要望をいただきますと弊社ではえもんだ実車を探します。オーナーさんに「ちょっと貸して?」と言ってみたりします。もちろん事前にえもんだに乗ってるのは把握してるので探してたんですが島にはハイカラなものがあまりなくてご不便おかけしていたところでした。

で、よくよく聞くとえもんだは径34mmの真円ということで、ほんなら作れるよ、という運びとなりました。

ここで問題が発生するのですが、図面上で直径34mmとしても直径34mmのものがしゅっと出てくるとは限りません。何を言ってるかわからないかもしれませんが、ここに「誤差」というものが生まれます。

シートポストは製造時に厳密な品質管理のもと寸分たがわない34.0mmの製品を叩き出すのですが、3Dプリソタにおいては「直径1.75mmの樹脂を熱で柔らかくして」「内径0.4mmのノズルから垂らして積み上げる」という仕組みで造形されます。

機械の個体毎の精度、樹脂の種類、温度や速度の設定によっては33.9mmや34.1mmとして出力されることは日常チャメシゴトです。なので

34っす 

と言われても34.0でセットしておっけーではありません。まずほんまに34mmの円柱を作ります。ここで最初に33.8xmmのものが出力されたので電卓を持ち出してきて割り算をしてぴったり34.0mmのものを出します。これに合えばえもんだにも合うはずです。

ここからがさらに問題で、とめるちゃんの素材PA-CFは当社比ですごく誤差が出ます。子供の頃に親から言われた、知らん他人を信じてはいけないぐらいの差がでるのです。だいたい太って34.3mmとかになって出てきます。とめるちゃんは外側に巻くものなので、内径34で設計するとだいたい33.7ぐらいで出来上がってまったく使えないものが生まれます。

うちにはひとまず20mm角の立方体をそれぞれの素材で出してみたものがあって素材ごとの太り方の目安にしています。が、これも立方体なので目安になるのでして、異型断面になると単に0.2mmでどうとかで済む話でなく縦横でどうなってこう、という修正が必須です。このへん詳しい先輩おられたらぜひお話うかがいたい。

まあそんなたいそうなナニカではないのですが、そのような感じでえもんだのとめるちゃんができるわけです。

この、ねじがM5というのはいいですね。だいたいゼッケンプレートは200mm長の結束バンドの幅4.4mmを通すために4.5〜5.0の穴があいてます(あいてないものもある)。プラ素材のΦ4.5ならM5はとおりますのでガタなくピッタリとまります。これ最初はM4にしてたんですけど遊ぶのが気になったんですよね。2ボルトならM4で問題ないですが1本でとめる試作品だとかなりしっかり締めないといけなくてズボラなわいには不向きでした。

張り切って大量に仕入れたM4どうする

このボタンヘッドキャップボルトは頭部の径も大きく広い面で押さえれるのでとてもいいです。(まあちょっと高いんやけどな

ちょっと気分を(´∀`∩)↑age↑たいとき用に赤と青の決戦用アルマイトボルトも買ってしまいました。

なおとめるちゃんには将来ボルト周りで遊びが出た場合(使ってるうちに削れますからね)ゆるくならないとも限らないので0.2mm厚のシムと、ねじを落としたなくしたのときに普通のキャップボルト(頭部径が小さい)を使うとき用のワッシャもつけてお届けしています。

使わんと思うけどね

この豪華仕様が京産大ボーイズは無料です!マネさんは通年募集中!さあ全国の高校生諸君は入学案内をいますぐ手配!(たのむでほんま

そして適合モデルも増えました!ピナレ口ヂャイアソトチャノソデールBMCウイソスペースコルナゴサーヴェロほかうちのお店  https://csdesign.base.shop/に並べれてないモデルお問い合わせください。明日もゆるく生きる!

 

 

TFA-Qi3

ことの発端は下鴨の天才メカニックのひらめきでした。

まずこのホーザンの振れ取り台について説明しておかなければならないでしょう。

HOZAN C-330 をはじめとする鋳鉄製の振れ取り台はほとんどのジテンシャヤサンに1台はある定番中の定番振れ取り台です。

ただHOZANのウエブサイトにはもう載っておらず現行品はC-300となっています。URLはこちら 重量は9.6kgとなっています。

PARKTO◯LやMIN◯URAからも振れ取り台がリリースされる中、大きくて重たいC-330は新しい需要がなくなったのかもしれません。スルーアクスルの登場で振れ取り台に求められる構造の変化もあったことでしょう。#なぜそこ伏せ字

しかし今でもオークショソサイト等ではお手頃な価格で取引されているようで、C-330以外にもハタヤなど他のメーカーさんのものも見受けられかつて完組という概念がなかった頃の必須技術であったホイール組の尊さを垣間見ることができます。問題は送料です。

HOZAN C-330 photo(c)monotaroさん

だがこのC-330をはじめとする鋳鉄製振れ取り台にはほかの機種ではまったく及ばない優れた特徴があるのをご存知でしょうか。

それはチューブラータイヤの天ブレを取る、です。

リムからタイヤを持ち上げるときの、C-330(ほか)の11kgという安定感、左右からハブ軸をがっちりと掴んだ安定感、持ち上げる際に踏んでおける台座の安定感、とにかく安定感が最高です。

中の人も欲しくて欲しくてたまらなかったですがうちで一番えらい人に稟議がとおりませんでした。まったく痛恨の極みです。

とにかく決戦用チューブラーを貼るときにはこれ以上のものを私は知りません。私が知らないだけでもっといいものがあるのかもしれませんが、また機会があったら教えてください。

さて

トーマスが振れ取り台の測定子(接触子)で掴まれているのを見て思いました。

ここはわいの出番やな、と。

なんといってもトーマスにはうちのご子息が大変お世話になったのです。その節はありがとうございました。

問題は2つです。1.細い尖った測定子でトーマスは痛くないのか?2.測定子がゆるむとトーマスが落ちないのか?

このタスクの次世代ソリューションは広い面積で大きく挟む、測定子がゆるんで仮に固定がずれてもせめて落ちないように持ち出しをつける、です。

まずこのような形状を考えました。常日頃こんなことばかりしているわけではありません。お仕事もしています。こういうのは休憩時間にするのです。


しかし私が設計で考えるのは、部品と可動部は少ないほどいい、同じ機能なら小さいほうがいい、です。

レールは2本もいらないし、かえってトーマスの形状によっては融通がきかなくなるかもしれないので1本にし、測定子を支える部分は高さ方向に遊びを設けました。

トーマスに当たる内側は弾性のある素材で車体にダメージを与えずフィットします。全体には少し遊びを設けてトーマスがゴードンになったりしても適合する仕組みになっています。もしトーマスが将来退役してもいわむらさんはまたきかんしゃを買ってくるに違いないからです。

そしてできあがったのがこちら

TFA-Qi3(THOMAS FIXING Attachment – QBEI Iwamura San)です。シマ/ブルーにしてみました。#なぜそこ伏せ字

そして無事に当日発送翌日配達となり使っていただけたようです。

これによりトーマスが確実に固定され本来の実力をいかんなく発揮し、ボーイズのTL/TLRにシーラントが行き渡るよう願ってやみません。

また、トーマスを2台お持ちの方はシーラントをビード部まで確実に回す2軸機構を備えた TSSS-Qi3(THOMAS Sealant Spread System- QBEI Iwamura San)もございます。

弊社は今後もトップメカニシャンの繰り出すおもろそうな事象に敏感に反応し、思いつきで対応していく所存です。遊ぶときは全力で遊ぶからこそ楽しいのです。今後とも京都産業大学体育会自転車競技部への熱いご声援をよろしくお願いいたします。

なお本製品は競技専用部品につき(ほんまか)お取り扱いは弊社オーソライズドプレンミャムディーラーでの対面販売のみとなります(どこや

8日間 769.5㎞ 11,419mUPの最後に見たもの

アスレさんの記事が大人気なので思ったことをちょっと書いておこうかなーと

TOJ2024最終日、ここまでで6名の選手のうち5名を欠いてしまった京都産業大学は残った森田叶夢を東京ステージのスタートラインへ送り出しました。

パレード区間+6.5km✕16周で争う104kmのこのステージ、チーム総合成績や個人総合、山岳、スプリントなどの各賞が固まりつつある終盤、最終周に誰もがまったく予想しない局面で飛び出したのが森田でした。

現地観戦の皆さんも配信に見入っていた全国1億3000万の京産大ファンも大いに沸き興奮し、手に汗握る気持ちを味わったのではないでしょうか。

100人いれば100とおりの捉え方があり、詳しくはアスレさんの記事をご参照いただきたいと思いますが、このアタックにはまだ報道されていないなにかがあるような気がします。

まず、あの局面で仕掛けるというのは容易ではなく、これは森田くんはもちろん素晴らしい判断で出ていったのだと思いますが、普段の秋田監督や山岸コーチ(半角カタカナ)、木村くんや吉岡くんから受け継がれてきた「魅せるレース」の哲学の賜物ではないかと感じます。必ずどこかで先頭を走るという教えは簡単に実現できるものではありません。あの700kmを超える道程の中で参加95選手のうち一体何人が自らエスケープを試みたでしょうか。

TV2(後方ムービーモト)に背中を映し続けてきた森田くんがここまで悔しい思いを噛み締めてきた4回生矢萩3回生山田末吉、渡辺稲吉はじめ直前で怪我に泣いた田村ほかこのTOJを目指すも走れなかった他の部員たちの見えない力にその背中を押されたのだと配信を見ながら思いました。マネさんもありがとう。

自分で仕掛ける恐怖は走る本人にしかわかりません。まして19歳、去年までJカテゴリからいきなりUCI2クラスの日本最大のステージレースで、ここで行ったらどうなるか、それはあまりにも結果のわからない挑戦であり、どのような勇気が彼を行かせたのかを考えたとき、自分なら行けるのかと思うとそれはやはり秋田監督が培ってきた「レースをどのように走るか」というレース文化の後ろ盾があったに相違ないのです。こういうときはこうするんやで、というレジェンドからの薫陶を受けたからこそ誰も動けないときでも「俺たちKSUボーイズ」だけはそのチカラで動けたりするのです。ようしらんけど

もうひとつ、UCIコンチネンタルを主とする錚々たる79名を後目に颯爽と駆ける森田くんの側の観衆の中に京産大の青い応援旗を見ました。応援する側としてこの嬉しさは想像に難くないノーベル賞(語彙)に匹敵する最高の気分だったのだろうなあと羨ましい限りです。

たとえ旗を持ってるのが百恵ちゃんであっても選手がそこで行けるかというとそんなことはないのであって(カット)

長い長い8日間のその最後の最後、最終周を告げる鐘が鳴り響くなか、ご両親はじめ誰もが、◯ぬ気で走れ!とか絶対勝てよ!とはいうものの、本心はもうほんまに8日間ようがんばったおつかれさん、頼むからこけずにヒニッシしてくれほかにはなんもいらん無事に戻ってきてくれ、と思っているのです。ようまあこんなベテランや強豪に混じって学生がチャレンジったってようやったもうじゅうぶんがんばった褒め称えるわこの青い旗を振ってるのであと数キロ元気な姿を見せてほし

Radiotour「153 Attack

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

となったときそれが青いジャージを纏った森田叶夢であって大集団を引き連れて先頭を単独で目の前を走っていく、こんな痛快なことがあるでしょうか?

これな
その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし

そして観衆の誰もが

「京都産業大学なら逃げ切るかもしれない」

と思ったのです。思ったでしょ?

秋田山岸の選手ならもしかしてひょっとしてと思わせるなにかを誰もが持っているのがボーイズです。きっと荒木先生も柏先生も遠い空の向こうで喜んでおられるに違いない。

これでもはや「叶夢」の読み方は日本全国「とあ」が標準となり次の広辞苑の改版でも掲載となるでしょう。

だがしかしまあこれはOBのわたしの気持ちであって、ほんとのことはアスレさんを定期購読申し込みしたうえでよく読みSNSのアカウント @KSU_athle_press もフォローして情報げっとしてください。いいねとリツイートもお願いします。無料でご自宅まで送ってくださいます。もちろん注目の記者は @kusanagimiwa です。

いやー面白いレースでした。今後も京都産業大学自転車競技部へご支援をお願いいたします。ほかの子たちもみんながんばったし全員が次に勝つのは自分だとレースに臨むのです。なおこの日からうちのネコチャソシールが大人気でほんとにありがとうありがとう

 

デスクホイールの穴をどうふさぐかについて

おまたせしました。TTの季節がやってきました。

デスクホイールは男子の心をウキウキさせます。自慢ではありませんが自慢ですが、中の人はいまからさんじゅうねんぐらい前に西日本学連で初めてデスクホイールを使った人です。「なんやそれ」「そんなんで速うなるか、セントラは気合や」「なんぼしたん?」などと物珍しがられましたが本気で記録を出したければやるときはやる、それがわいです。

さて、そのデスクホイールですが空気をいれるバルブのとこは穴があいていて、新品を買うとふさぐシールが付いてくるのですが、しょせんはシールなのでいずれくっつかなくなり、時としてレース中にはがれて飛んでいくという悲しい思いをした方も多いのではないでしょうか(あんまり見たことはないですが)。

さあ穴を塞ごう!となったときにすぐ思いつくのがガムテープです。布粘着テープともいいます。どこでも売ってるので便利です。

が、しかし

ガムテープはねっちゃりひっつきます。糸が出ます。のりが残ります。私は国体ほか大会に選手引率することがありますが、連盟や学校のデスクを見るたびに天一のラーメソよりもこってりとこびりついたガムテープののりに(ノ∀`)アチャーといつも思うのでした。

せっかくエアロなデスクなのにこのねちゃっとした塊はCd値に悪影響を与えないのでしょうか。機材の汚れは心の汚れ京都のある方がついったに書いてました。

そこで思い出しました。わいはシール屋ではないかと(今頃か)!

そこで「ふさぐちゃん」の登場です。ほんとにいつもネーミングで売上を逃がしていると思います。バルブホールステッカーBHS-01R にしておくともっと売れるのではないでしょうか。しかしできないのです。思いついたのは角型と丸型があるので「ふさぐちゃん角刈り/丸刈り」ぐらいでした。出直します。

しかしことの本質はそこではありません。

機材をクリーンに、エアロ性能を最大に引き出し、まあちょっとかっこいい、備えておくとコンビニに走らなくてもいい、それがふさぐちゃんです。

この製品は(ここから本題です待たせたな)自動車用のラッピングフィルムをカットしたもので適度にコシがあり平面を保ちます。よく見るのは薄いフィルムをぴたっと貼ってるんだけどシワが寄っているという現象です。フィルムは高級になると柔らかく薄くなる傾向がないではないのですがそれも適材適所であって、もったいない話です。

のりははがしてもホイール側に残らずいつもクリーンにきれいにはがれます。空気の泡も残りにくい構造なのでビシっと決まります。

設計のポイントはただの四角形に見えますがこの短辺がリムの形と同じカーブになっているところです。これはまだ誰にも言ってないので今なら話のネタに使えます。

黄色の点線が直径622mmです。わかりにくいですね

貼る際のご注意としては、脱脂とにかく洗浄脱脂です。シリコンオフまたは濃度の高いアルコールなどで汚れや油が残らないようにしてから貼ってください。とくにワックスやシリコン系コーティングはシールの敵です。くっつきません。くっつかないようにするための技術なのでとにかくくっつきません。なので、くっつきませんやんか、とおっしゃられても手も足も出ないぐらいいけません。

でもラッピングフィルムというのは再剥離性という性質があってどちらかというと初期接着力は弱めに感じます。これは施工時にずれたものを貼り直せるというフィルムさんの愛です。しかし愛があったとしても作ってる自分も出荷するときに少し心配なのは事実なので作業台にはしっこを貼って大丈夫なことを確認してからお届けしています。

作業台はブビンガ無垢材です。和室最高

貼る面をきれいにしてから貼り付け、指でかまわないので上からしっかりこすって押し付けてください。

国体やそのほか競技会で1km1分4秒ぐらいまでなら大丈夫なようでした。10000枚いただくわ?などのお問い合わせやご相談もお気軽にお寄せくださいね。

SHOP URL : https://csdesign.base.shop/items/82853419