_φ(・_・ チームカー作るやで <仕上げ・エヤ抜き編>

えーとまずお知らせをふたつです。

前の記事でカッターの刃の出し方に少し触れましたが、具体的にはこのぐらいで十分です。※必ず新しい刃先で作業します。(なんならハサミで切ってもかまいません)

車両によっては、貼り付ける場所に↓↓↓このようなセンサーがあります。位置決めのときに確認してシールに印をつけ、貼る前に切り抜いておきます。

ようやく本題ですが余談がときどき混じります。きにしないでください。

スキージという道具を使います。

樹脂の板に傷つき防止のスキージーパッドというフェルトを貼っています。滑りも良くなります。フェルトですが、あのフェルトとは関係ありません。あれはへるとです。

両側に貼ってあるのは厚みの違うパッドを使い分けるためです。ゆるい曲面には厚いスポンジパッドを使います。

うちの車両用紅茶キ/コシールは糊にエア抜きの溝がありいわゆるエアフリー構造といいますが空気を抜きやすくなっています。水素水もネジ3本ぐらい抜けます。

後加工としてはおよそ5cm枚に小さな切れ目を入れておきますので、空気はそこからも抜けます。なのでエア抜きについてはたぶん何の心配もなくて、心配するとしたら引っ張り過ぎによる切れ目からの破れです。貼り直しなどの際はゆっくり引っ張るようにご注意ください。

繰り返しますが、強く引っ張らなければならない状況というのは、しっかりと貼り付いているときに起こります。なので、施工中の早い段階では強く押さえないのです。すべてはラクをするために!

すみませんお待たせしました。エアを抜いていきます。いろんなやり方がありますが、チームの監督さんにシール職人の修行をさせることはできない(監督さんには監督さんの大切なお仕事があります)ので一般的なお話です。

基本は中央から端に向けてスキージを走らせます。

前述のとおりエアは勝手に抜けていったり、残ってもどうってことないので 1.プレスラインをまたぐ(折れ曲がる)箇所・2. 周囲5cmぐらいのはじっこ についてしっかりスキージを押し付けて糊を効かせます。

通常メディアを洗剤水で貼った場合はこの限りでなく、全体にしっかりスキージを効かせて水を抜きます。もともとはがしやすくするために洗剤水を使ってますので、抜いておかないとはがれます(レース中にはがれるとえらいことのような気がします)。

できれば運転前にもう一度、めくれてきてないかご確認ください。安全第一です。

おわり。

本題が短いんでは?というお叱りが聞こえてきそうですが、以上でございます。実はエア抜きや泡残りを解決するためにメディア(糊の種類)の選択やデザイン上の処理(エア抜き用カットなど)をあらかじめしっかりやるというのが前工程のキモなのでして、さくっと施工していただいて勝つための作業に時間をお使いいただきたいと願っております。

なんかこう、ほんまは自分で作業しに御殿場まで行きたいというのが正直な気持ちですが、ひとまず監督さんの手間がかからず困らず車両に掲出できればいいなと思い記事を書きました。

小さな事務所で始めて(いまも同じですが)数年、全国各地からお引き合いをいただけるようになって本当に嬉しいし、のみならず、「あの」一流チームの憧れの選手がビッグレースで使ってくださるのは光栄な限りに思います。

#水素水シール は工場からうちの作業台にきて数時間後には出荷されていきます。少しのサンプルは手元においときますが、後に何かが残ったりするわけではありません。秘密のお仕事もたくさんあります。そもそもシールなんて表に出るものではありません(水素水ですし)。

でも関係メディアさんで時折うちの製品がお写真に写り込んだりするのを拝見するにつけ、いろいろ記録保存してゆくゆくは子供にまとめてどばっと見せてあげたいものだなーと思っています。うへへ。

では、お客さま皆さまの全日本選手権でのご活躍を楽しみにしています!!

_φ(・_・ チームカー作るやで <施工編-2>

それではさくさく貼っていきます。

いま貼っているボデーサイドは正面から見ると外側へふくらんでいます。ミドリの線です。

あっモザイクは気にしないでください。気にしてはいけません。すひぎむです。

それでいま、ここにEM菌シールが上の方だけ裏紙をはがして止められています。次に残った裏紙を全部めくるのですが、その前にご注意です。めくった後、これを↓↓↓このように貼りに行くとNGです。しわ発生不可避となります。

まあできれば二人以上で作業してくださいね。一人でもできますが心細いです。

トルマリソシールを下へひっぱりつつ上から下へボデーに当てていきます。一人で貼るなら少しずつめくりながら追っていくのがいいかもしれません。

裏面エアフリー糊でない通常メディアの場合は薄く洗剤を溶かした水をスプレーして、というのが望ましいです。お時間に余裕があれば100円屋さんでペットボトルに付けられるスプレーヘッドがありますのでご用意くだされば幸いです。水500ccに台所用の洗剤を3〜4滴溶かしてボデーと糊面にかけておくと「あっやば!」というときに剥がしやすくなります。

で、とにかく貼ります。くどいようですが強く押さえてはいけません。

貼れたら余分を切ってしまいます。

未練なくすっぱりと切り落とします。パネルの隙間に浅くカッターの刃を入れてください。ドアエッジぎりぎりを狙う必要はありません。2・3ミリはみ出しても気にしなくて大丈夫です。あとでなんとでもなります。先を急ぎます。

余談です。カッターの刃や接着剤やチェーンオイルなどは効きさえすれば少ない(小さい)ほどよく働く(というかいらんことをしない)ので、どばっといくのはまずいです。お子様がいらっしゃるご家庭は夏休みの宿題工作のときに思い出してくださいませ。

で、この端の処理については切り落とすのほかに裏側へ折り返すというのがあります。きれいに見えますので、ずっと使うチーム所有の車両であれば時間がかかってもそのようにしますが、今回は貸与車両なので省エネです。

さて、それではひとまずドア1枚分がカタチになりました。シールにシワはないはずですが気泡はいくらかあると思います。これを抜きたいのが人情ではありますが放置して次のドアへかかります。何度もいいますが、仕上げをしていてライセンスコントロールに遅れるとかスタート時間に右後ろのドアが貼れていないとかあってはなりません。時間内にスポンサーさんのロゴがきちんと掲出されているというのが最優先です。

ではここでとても大切なお知らせです。前後左右と何枚も貼るときは「小さいものから」「目立たないところから」貼ります。1枚目より2枚目がうまく貼れるからです。例として前ドアを載せていますが、後ろドアのほうが小さいので練習としてこちらを先にするのが吉です。もちろんその前にリアバンパーです。

そしてドア4枚、ボンネット、リアバンパーと全部貼れたら仮止めのマスキングテープを外します。ここまでマステは貼りっぱなしです。最後にまとめてはがすとゴミ集めが1回で済みますので。

そしたら少し離れて車両全体をながめてウンウンとうなずきましょう。イケてる!と感激したら全体をスキージでなでて押さえます。とりあえずこれでスタートできます!

「エア抜き編」へ続くっ!

_φ(・_・ チームカー作るやで <施工編-1>

前の記事でここまでできました。多くの場合、ドアはほぼ2次曲面なので上端を止めています。もうやったようなもんです。ちなみに、もし上でなくて横を止めると裏紙がめくれません。

3次曲面の場合はちょっと道具や小技が必要です。また機会があれば記事にします。バンパーコーナーとかフロントフェンダー周りはやばいです。

お客さまに施工をお願いする場合は製品の裏紙に切れ目を入れてお届けします。今回は上辺の5cm幅をカットしました。

このように裏紙だけをカットしてます。これはボデーに当てた状態で見ると、この赤い部分です。↓↓↓

シールは上辺だけ固定されてますので、下側からめくってこの裏紙を取ります。ここでいったん落ち着きましょう。ゆっくりシールを元に戻します。

うちんくで作る車両用のスタシプ細胞シールは再剥離タイプで、強く押さえないとひっつかない糊を使っています。ですので貼って剥がしてまた貼れますのであわてて押さえてはいけないです。

さて、こういったシール貼りで「失敗」というのは大きく3種類あって、「ずれ」「しわ」「あわ」です。「ずれ」については基準線で固定したので大丈夫です。「あわ」もこの糊は非常に追い出しやすい構造のうえ、カット段階でエア抜き加工もしてありますので空気が残ってもある程度は勝手に抜けていきます。

誤解を恐れず申し上げるならば、今回のような大会期間中「だけ」表示する場合は少々のことはいいんじゃないかなっと思っています。泡が残っていてもクルマ走れば見えないですし。日本最高峰のレースで日頃ご支援くださっているスポンサーさんのロゴを載せて僕らのチームカーが走る、そこがかっこいいのです。

さて「しわ」は貼り方の手順を守れば2次曲面では回避しやすいものです。今回の場合はどのように貼れば失敗しないでしょうか。明日へ、続くっ!

_φ(・_・ チームカー作るやで <準備編>

思いつきで書いたり書かなかったりするブログですこんばんは〜

大きなタピョーカシールをくるまに貼ってチームカーみたいにしたい!と思ったらどうしたら失敗せずにうまくできるでしょうか?

デザインはどのようにしてできあがるのか?シールに盛り込まれたうまく貼るための小技とは?…的なことをだらだらとメモしておきたいと思います。

まず道具ですが、なにはなくともマスキングテープの大と小、ボデーをきれいにするアルコール(飲みません)、フェルト付きのスキージー、小さなカッター、ゴミ袋などご用意ください。

デザインをご依頼いただいた場合にはベース車両の資料を元にできるだけ正確に表示して確認いただきますが、実際の成果品は(デザインによって)余白や合わせ位置のマークなどを追加して出力します。

すひぎむ(なんでもかんでも書いたり言ったりしてはいけない決まり)とゆうものがありますのでどちらのお客さまのお仕事かというのは全日本選手権後でないと明らかにできないのですが、たまたまうちの近所に外車ディーラーがありますので仮に、仮にですが、あるドイツ車の今年モデルに貼るとしますと…

ディーラーさんのカタログに載っている図面を加工してデザインのベースを作りまして、そこへこう、いろいろとロゴとかを載せていきます。

完成したら印刷屋さんで #タピョ岡シール にしてもらいます。このときに出すデータにはたとえばドアのエッジに合わせる印などをあらかじめ追加しておきます。

赤丸のところが謎のマークです

このようなものがお客さまのお手元に届きまして、施工していただきます。ある高貴なお客さまに教えていただいたのですが、主催者さんから車両が貸与されるのはいろいろ始まる直前のことが多く、少ない手間で貼れる仕様のリクエストをいただくなど大変勉強になります。では貼っていきます。

まずボデーにワックスや油分など残っているとはがれやすくなるので、アルコールで拭きます。剤にメチルアルコールが含まれている場合は蒸気を吸わないように気をつけます。

次に基準となる線を決めて細いマスキングテープで表示させます。この車両はドアノブやプレスライン、ドア下端などすべて後ろ上りになっているので水平より少し後ろを上げます。このようなタイプの車両に水平に貼ると後ろ下がりに見えてしまうからです。

前ドア前端と後ドア後端では図面上で58mm前下りになります。ドアハンドル部分(凹んでいる)をかわす高さでぴーーーっと貼ります。二人以上で作業されると見やすいです。

製品はドア幅より広めにできてますので、ひとまずボデーに当てて見てみます。ドアエッジからスポンサーロゴがはみ出さないかなど、図面上で大丈夫でも現車合わせでないと本当のとこはわからないのでしっかりチェックします。

テープで仮止めします。少し離れて確認します。シール上端は基準線のテープ下端に合わせています。いわゆる「突き合わせ」で、重なりません。

間違いなければ太いテープで「シールの幅をはみ出さないよう」しっかり止めます。いったん<続く>っ!